尖がりエンタメ批評〘ゲーム/アニメ/シネマ〙

好奇心で紡ぐエンタメ体験記

『コンスタンティン』——アクションと宗教ドラマの融合

◆『コンスタンティン』基本情報

■作品データ

  • 原題:Constantine
  • 公開年:2005年
  • 上映時間:121分
  • 製作国:アメリカ/ドイツ
  • ジャンル:ファンタジー、アクション、オカルト、サスペンス
  • 原作:DCコミックス『Hellblazer(ヘルブレイザー)』
  • 監督:フランシス・ローレンス(映画監督デビュー作)
  • 脚本:ケヴィン・ブロドビン、フランク・A・カペロ
  • 音楽:クラウス・バデルト、ブライアン・タイラー
  • 撮影:フィリップ・ルースロ
  • 編集:ウェイン・ウォーマン
  • 配給:ワーナー・ブラザース

◆主なキャスト

  • ジョン・コンスタンティン:キアヌ・リーブス
  • アンジェラ/イザベル・ドッドソン:レイチェル・ワイズ
  • チャズ:シャイア・ラブーフ
  • パパ・ミッドナイト:ジャイモン・フンスー
  • ビーマン:マックス・ベイカー
  • ヘネシー神父:プルイット・テイラー・ヴィンス
  • ガブリエル(天使):ティルダ・スウィントン
  • バルサザール(悪魔):ギャヴィン・ロズデイル
  • ルシファー(サタン):ピーター・ストーメア

◆興行情報

  • 製作費:1億ドル
  • 興行収入:約2億3,088万ドル

Constantine (2005) - Posters — The Movie Database (TMDb)

 

◆からくち短評

映画は、少女の悪魔祓いから始まる。
ジョン(キアヌ・リーブス)は巨大な鏡を使い、悪魔を鏡の中に閉じ込めて破壊するという、視覚的にも印象的な手法でお祓いを行う。
しかしこの場面の核心は「悪魔が“本来来られないはずの”人間界に出てこようとしていた」という異常事態の提示にある。

ジョンは末期の肺がんで余命わずか。
天使ガブリエル(ティルダ・スウィントン)に延命を求めるが、返ってくるのは冷酷な言葉だ。
「天国に行くには“自己犠牲”と“信仰”が必要。悪魔祓いで点数稼ぎをしても意味はない」
このシーンは、彼の行動原理が「人助け」ではなく「自分の魂の救済」であることを強調するもの。

双子の妹イザベルの自殺に疑念を抱く姉アンジェラ(レイチェル・ワイズ)がジョンを訪ねる。ジョンはイザベルの死の真相を探るため、水を媒介にして地獄へ“短時間だけ”渡る。ここで描かれる地獄は、爆風が吹き荒れる荒廃したロサンゼルスの“パラレルワールド”で、監督フランシス・ローレンスのミュージックビデオ的センスが炸裂する。このシーンは映画のビジュアル的ハイライトといえるものであり、ジョンが日常的に“この地獄”と隣り合わせで生きていることを観客に叩きつける。

『コンスタンティン』は、天使と悪魔の戦いを描きながら、実は“救われない男が、他者のために初めて自己犠牲を選ぶ物語”といえる。地獄への訪問、ガブリエルの暴走、ルシファーとの対峙など、非常に印象的なシーンが連続し、宗教的テーマとアクションが高次元で融合した稀有な作品。

★★★☆☆